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こんばんは、series500です。
国内で新型インフルエンザの拡大が見られる中、感染者に近いと思われる人が不当な扱いを受けるなどの問題が浮上しているようです。
この件だけに留まらず、あらゆる排除意識(差別意識と言っても良いかもしれない)が正確でない情報・知識に基づくものであるかが良く分かります。
火事で避難する時、自分だけ助かろうと階段を走るような人間が1人でもいれば、本来は何事もなく処理できる問題も大混乱を引き起こすのと同じ。
いずれにせよ、過剰な反応をせず、正確な情報に基づいて適切な行動を取ることが大切です。

さて、いよいよ今日から裁判員制度が始まります。
結局今の今まで混乱したままでのスタートになってしまい、国も国民も制度がどう転がるのか不安であるというのが率直なトコロでしょうか。
因みに、私は裁判員制度には比較的肯定派です。
が、別に裁判に市民感覚を取り入れる事には期待していません。
むしろ、それは取り入れられるべきモノではないと考えます。
確かに、兼ねてより報道される凶悪事件が一般人が考える刑期と比べると、現在までの裁判とはかなりの差があるとは思います。
それをみて、被害者が浮かばれないという理屈も理解出来なくはないです。
でも、裁判が法令に則った正義の実現という側面からすれば、専門職である裁判官の裁判は決して的外れなものではないし、むしろ国民の司法感覚に欠如があるのではないかと感じます。
そして、持論になりますが、裁判官を始めとした司法関係者とそれ以外の一般人との間には、決定的な違いがあります。
それは、犯罪を犯罪として確定(認識)するプロセスです。
裁判では、あらゆる証拠を積み重ねて、凡そ疑うべきものが無くなって初めて被告人は犯人となり、刑罰を受けることになります。
しかし、一般人の感覚では、警察に逮捕され、裁判に被告人として出廷した時点で、被告人は既に犯人として扱っているのが現実じゃないでしょうか。
それは高度の科学的捜査を行なう警察と起訴した事件の有罪率が極めて高い検察に対する信頼度の高さに起因するのかもしれませんが・・・つまり、警察に目をつけられるような人間は「絶対何かをやっているに決まっている」という意識があるように思います。
まぁ、ニュースなんか観ていると、「あたかも」な報道も散見されるんで、無理もない気もしますが・・・(だからと言って、報道にだけ責任があるとも思いません。)

それで・・・何が言いたいのか話を戻しますと、司法と国民の間に大きな考え方(感覚)の違いがあるのは間違いありません。
でも、どちらかが絶対的に正しいというワケでもないのです。
司法には法令と判例の遵守、社会正義の実現という命題があるし、国民(と言うよりは一般世論)としても一般的な人間の価値観という意識があるというならば、それらは擦り合わせられるべきです。
特に、マスコミの報道だけで被害者の立場になったような司法と対極にある多くの国民には、司法や社会、犯罪を客観的に思考する絶好の機会になるでしょう。
別に被告人に汲みしろって言っているのではないです。
ただ、裁判というものの本質は、被害者感情を満足させるための儀式ではなく、客観的証拠に基づいた事実(真実ではない)の認定と刑の執行による社会正義の実現及び犯人の社会的矯正にあり、そこは今の国民は深く理解するべきところです。
要するに、市民感覚を裁判に取り入れながらも、国民が触れるべき司法の原則が上記。
これこそが長期的にみれば、司法と国民の溝を埋め、本当の意味で国民が裁判・司法に参加することになるんじゃないかと思います。

今回、私は極めて楽観的に書きましたが、その道のりは決して楽なものではないでしょう。
制度・国民共に何十年も試行錯誤しなければならない上、その間には時代の変化もあるし、ゴールみたいな決着はつかないのが当たり前で正常です。
しかしながら、今回こうやって司法に国民が参加することで、今までにない視点が生まれ、刺激になれば、意識も変わってくるんじゃないかと私は期待しています。
・・・とはいえ、社会の反応や実際の対応、それに制度の不備を考えると、とても長い道のりに変わりはありませんね。
私としても今のところ、賛成からも反対からも書けるくらい微妙なラインです。
今度は批判的に書いてみようかな。。。
でもまずは、暫く様子を見て、客観的に裁判員制度を追いたいと思いますし、始まったからには上手く運用される事を望みます。

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